不安定な量子を正確に機能させるために

2018/10/15 ーーー 第二回目は、Challenge #2: Getting a stable result from a QC program です。この章は、安定した量子の操作が、いまの技術では難しいことを説明しています。量子を安定させるためには、絶対ゼロ度の環境が必要であり、それを達成するための試みが、いくつかの研究機関や民間企業で進められています。 しかし、1つの量子だけで1ビットを表現することは、依然として達成されておらず、対象となる量子を補正するための、多数の量子を絡め合わせることで、いまの量子コンピュータは動いているようです。20 Qubits や 50 Qubits という言葉を耳にしますが、それらは並列に並べることが可能な量子ビット幅のことであり、これまでのコンピュータにおけるビット数に似たものと言えます。 ただし、量子の場合は、このような…

量子コンピュータは API を介して活用される

2018/10/11 ーーー 今日からは、3回に分けて、Quantum Computing Will Not Break Your Encryption, Yet という記事を参照しながら、量子コンピューティングの現状と将来について考えていきたいと思います。この記事は、2017年10月に Forbes に Paul Teich さんが寄稿したものであり、量子コンピューティング全体をカバーする良記事となっています。タイトルを見ると、暗号化に絞り込んで解説されているように思えますが、そのような内容ではありません。 第一回目は、Challenge #1: ProgrammingQuantum Computing です。量子コンピューティングのプログラミングと言うと、量子物理学の理解を前提とした、量子アルゴリズムの構築が必然となります。しかし、それはきわめて難解なものであり、すべてのアプリケーション開発に当てはめてしまうと、エコシステムの構築が危うくなるという側面を持ちます。 以下の記事では、量子アルゴリズムの構築は量子物理学者に任せ、それらを…

はじめに:量子コンピューティング/コミュニケーションの現状

2018/10/09 ーーー Alibaba/Google/IBM/Tencentや、学術/国家研究機関(中国、欧州委員会、ロシア、米国を含む)などが、現実世界の問題を解決するために、量子コンピュータ (QC) アーキテクチャの研究開発を進めています。また、2017年には、Microsoft も量子コンピュータについて発表し、それに続いて Intel も、量子アーキテクチャのチップ化について発表しました。 量子コンピューティングとは、個々の原子核粒子を計算要素として使用するという、量子物理学の実用的な応用形態のことです。そして量子コンピュータには、既存のコンピュータとは比較にならないほどの計算速度で、複雑な問題を解決していくというメリットがあると言われています。また、量子の絡み合い (エンタングルメント) を用いて、ハッキングが不可能な通信を確立することも可能です。 量子コンピューティングの世界には、コンピューティング、コミュニケーション、シミュレーション、センシングという、4つの分野があると言われています。しかし、それらを実現するためには数多くの課題が残されています。よく言われるのが、量子を安定させるために必要な温度という課題です。 ケルビンの絶対温度以下という、宇宙空間よりも低温にするために使用される冷蔵庫は、$500,000 以上の費用がかかると言われます。コストもさることながら、そのサイズも気になります。いずれにしても、私たちがに日常で用いる PC や スマフォに収まるまでには、それが実現するにしても、かなりの年月がかかることでしょう。 もう一つの大きな問題は、量子コンピューティングのためのアルゴリズムが、きわめて難解なものになるという点です。しかし、既存の GPU (graphics…